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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぴこんちゅうかん

神秘昆虫館

国枝 史郎

Lesen Sie 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.803 Zeichen · 213 Bildschirme

Aozora Bunko

不思議な業さえ心得ている。兇暴な性質も持っている。……ところで居場所だが解らない。天幕生活をしているのでな。もっとも大略の見当はつく。秩父山中の桐窪にいよう。……これ以上は教えられない」

そこで一式小一郎は、それだけの言葉を手頼りにして、桔梗様を探しに出て来たのであった。

手綱を引いて君江が行く。馬に揺られて小一郎が行く。懸巣が林で啼いている。野の草が風に靡いている。

二人は旅をつづけて行く。

はたして一式小一郎は、山尼の居場所を突き止めて、ふたたび恋人の桔梗様を、取り返すことが出来るだろうか?

一つの森が現われた。と、その森の向こう側から、大勢の人声が聞こえて来た。

「はてな?」と耳を傾げた時には、風の吹き具合が変わったのだろう、もう話し声は聞こえなかった。それにも拘らず小一郎は、非常に不安の様子を見せた。話し声に聞き覚えがあったからである。

「とは云えまさかあの連中が」口の中で呟いた。「ナーニこの俺の聞き違いだろう」

いやいやそれは聞き違いではなかった。小一郎にとっては恐ろしい敵が、その時その森の向う側を、まさしく歩いていたのであった。

山駕籠に乗った冷泉華子を、南部集五郎とその一味とが、守護するように引き包み、話しながら辿っていたのであった。