Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぴこんちゅうかん
神秘昆虫館
国枝 史郎
Lesen Sie 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.803 Zeichen · 213 Bildschirme
突然窓があくこともあった。そうしてそこから袋のような物が、ヒョイと「顔」を覗かせたりした。そうかと思うと若い女の声で「経」を読むのが聞こえたりした。もっともその「経」は意味の解らない、呪文のようなものであったけれど……
第二の場合はこうであった。
ある夜一式小一郎は、お茶の水の辺を歩いていた。と突然七、八人の武士が、お誂え通りの黒装束で、木蔭からムラムラと現われたかと思うと、刀を抜き連れて切ってかかった。何者? と訊いたが答えがない。止むを得ず小一郎も刀を抜き、峯打ちに二、三人叩き倒した。と、若々しい女の声で「妾にお任せよ」というのが聞こえ、それと同時に長い白布が、ヒラヒラと小一郎の方へ延びて来た。と思った瞬間に、小一郎はポッと気が遠くなり、グッタリ地上へ倒れてしまった。それからどうやら武士達は、小一郎の体を調べたらしい。そんなように小一郎には感じられた。「持っていないよ。残念だね」こう云う女の声もした。それから幾刻経ったろうか、誰かが介抱するようであった。で、ポッカリ眼を覚ますと、やはり黒装束で身を固めた、五、六人の武士が並んでいたがそれは敵ではなさそうであった。