Japanische Klassiker mit Furigana
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しんけい
神経
織田 作之助
Lesen Sie 神経 (しんけい) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.754 Zeichen · 28 Bildschirme
焼け残ったという地蔵を見たい気も起らなかった。もう日本の敗北は眼の前に迫っており、「波屋」の復活も「花屋」のトタン張り生活も、いつ何時くつがえってしまうかも知れず、私は首を垂れてトボトボ歩いた。
帰りの電車で夕刊を読むと、島ノ内復興聯盟が出来たという話が出ていて、「浪花ッ子の意気」いう見出しがついていたが、その見出しの文句は何か不愉快であった。私は江戸ッ子という言葉は好かぬが、それ以上に浪花ッ子という言葉を好かない。焦土の中の片隅の話をとらえて「浪花ッ子の意気」とは、空景気もいい加減にしろといいたかった。「起ち上る大阪」という自分の使った言葉も、文章を書く人間の陥り易い誇張だったと、自己嫌悪の念が湧いて来た。
四
ところが、戦争が終って二日目、さきに「起ち上る大阪」を書いた同じ週刊雑誌から、終戦直後の大阪の明るい話を書いてくれと依頼された時、私は再び「花屋」の主人と参ちゃんのことを書いた。言論の自由はまだ許されておらなかったし、大阪復興の目鼻も終戦後二日か三日の当時ではまるきり見当がつかず、長い戦争の悪夢から解放されてほっとしたという気持よりほかに書きようがなかったので「花屋」