Japanische Klassiker mit Furigana
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しんろのまき
神鷺之巻
泉 鏡花
Lesen Sie 神鷺之巻 (しんろのまき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.672 Zeichen · 54 Bildschirme
町の病院で、二月以上煩ったが、凍傷のために、足の指二本、鼻の尖が少々、とれた、そげた、欠けた、はて何といおう、もげたと言おう、もげた。
どうも解せぬ。さて、合点のゆかない。現におつかい姫を、鉄砲で撃った猟夫は、肝を潰しただけで、無事に助かった。旦那はまず不具だ。巣を見るばかりで、その祟りは、と内証で声をひそめて、老巫女に伺を立てた。されば、明神様の思召しは、鉄砲は避けもされる。また眷属が怪我に打たれまいものではない。――御殿の閨を覗かれ、あまつさえ、帳の奥のその奥の産屋を――おみずからではあるまいが――お煩い……との事である。
要するに、御堂の女神は、鉄砲より、研究がおきらいなのである。――
「――万事、その気でござらっしゃれよ。」
「勿論です――」
が、まだその上にも、銑吉を一人で御堂へ行かせるのは、気づかいらしくもあり、好もしくない様子が見えた。すなわち明神の祠へは、孫八爺さんが一所に行こうという。銑吉とても、ただ怯かしばかりでもなさそうな、秘密と、奇異と、第一、人気のまるでないその祠に、入口に懸った薙刀を思うと、掛釘が錆朽ちていまいものでもなし、控えの綱など断切れていないと限らない。