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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんろのまき

神鷺之巻

泉 鏡花

Lesen Sie 神鷺之巻 (しんろのまき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.672 Zeichen · 54 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「柄杓、」

手水鉢に。

「ああ、手近です。あげましょう。青い苔だけれどもね、乾いているから安心です、さあ。」

「済みません、小県さん、私知っていましたんですけど、つい、とっちてしまいましたの。」

「ところで……ちょっとお待ちなさい。この水は飲んで差支えないんですかね。」

「ええ、冷い、おいしい、私は毎日のように飲んでいます。」

それだと毎日この祠へ。

「あ、あ。」

と、消えるように、息を引いて、

「おいしいこと、ああ、おいしい。」

唇も青澄んだように見える。

「うらやましいなあ。飲んだらこっちへ貸して下さい。」

「私が。」

とて、柄を手巾で拭いたあとを、見入っていた。

「どうしました。」

「髪がこんなですから、毛が落ちているといけませんわ。」

「満々と下さい。ありがたい、これは冷い。一気には舌が縮みますね。」

とぐっと飲み、

「甘露が五臓へ沁みます。」

と清しく云った。

小県の顔を、すっと通った鼻筋の、横顔で斜に視ながら、

「まあ、おきれいですこと。」

「水?……勿論!」

「いいえ、あなたが。」

「あなたが。」

「さっき、絵馬を見ていらっしゃいました時もおきれいだと思ったんですが、清水を一息にめしあがる処が、あの……」