Japanische Klassiker mit Furigana
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さいじつならざるひび
祭日ならざる日々
宮本 百合子
Lesen Sie 祭日ならざる日々 (さいじつならざるひび) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.669 Zeichen · 10 Bildschirme
国民消費としてひっくるめていえば、人口には女も入って、女の酒、女の煙草も、これまで内務省や文部省が保健と精神規律の上からそれを眺めていたとは異った角度でながめられようというのであろうか。
銃後の婦人に求められている緊張、活動とその性質と、これらの消耗品との性質を対比したとき、私たち女の胸に快き納得を実感することはいささかむずかしいのである。晩秋に芳しいさんまを、豆にかえて、戦場の人々を偲びながら子供らに食べさせる物価騰貴時代の主婦の耳に、酒、タバコ、絹は十分につかえと聞いても、何かそこには日々の生活のやりくりとは離れた遠い、だが苦しい響があるのである。
ヒロイックな生きかたにひかれる心は、微妙なものである。たとえば、火事場の焔をくぐって火花を体じゅうに浴びながら、一人の子供をたすけ出し、再び身をひるがえしてその母を救う消防夫の行動は、実に美しさを感じるほど英雄的であるに違いない。彼が、仕事を終って、一同の感謝と称讚にこたえて、謙遜に満足そうに笑うとき、拍手を制せられない感動をひとに与えると思う。だが、そのひとが、まさに火中に身を投じて、必死の活躍をしている時、何を考えていたろう。