Japanische Klassiker mit Furigana
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わたくしたちのけんせつ
私たちの建設
宮本 百合子
Lesen Sie 私たちの建設 (わたくしたちのけんせつ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.430 Zeichen · 107 Bildschirme
けれども、これに対して、日常生計費は、日一日と高くなって、昭和十一年を百とすれば、二十年八月十五日は二千五百の指数を示して来た。二十五倍に物価は高騰した。これはマークの札束を鞄に入れて歩いて、街の乞食の小僧が「小父ちゃん一万マークお呉れよパンを買うんだから……」と言ったという一つ話が伝わっているドイツの大恐慌の七、八ヵ月以前の状態とほぼひとしい(『同盟世界週報』一三一六号参照)形を示している。最低二十五倍の物価の昂騰があるわけである。凡そ昨年の十二月までにたいていの家庭では、今までの貯金を使い尽し、復員手当、解職手当をも食込んでしまった。赤字は危険信号を鳴り響かせている。この赤字の中でどうして人々は生きているだろう。官庁などの月給は、今日の下駄一足、足袋一足に近い金額のまま据置かれた。特別の技能を持たず、収入の途を図れない人々が落ちて行くところは闇商売であり、賭博である。
戦時中、あんなに「愛国心」に愬え「非常時の国民的良心」に愬え「新兵器としての婦人」を動員した戦争犯罪の支配者は、このようにして家庭から引離して集めた人々にどういう配慮をしただろう。