Japanische Klassiker mit Furigana
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わたしのしんじょう
私の信条
豊島 与志雄
Lesen Sie 私の信条 (わたしのしんじょう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.502 Zeichen · 7 Bildschirme
ただ、人間の在りかたとして窮極的に考えるのだ。
ところで、何等の権力も存在しない自由な世界に、果して何びとが住み得るであろうか。人間の在りかたとして窮極的に考えられる世界ではあるが、そこに、摩擦なく安楽に、何びとが住み得るであろうか。答えは否定的ならざるを得ない。この点に人間の悲劇がある。私は作品の中で、この悲劇を、作中人物のものとして、また自分自身のものとして、執拗につつきたい。つまり、目指すところは、右様な世界に住み得る人間を育成することにある。
これが結局、私の仕事と世の中とのつながりである。これぐらいな信念がなければ、文学の苦渋な仕事は続けられない。他のいろいろなことは、私にとってはどうでも宜しい。あまり考えてみたこともない。
失いたくないもの、残しておきたいもの。――
これについては、私は当惑する。常識的に言えば、それはすべて物であり、美しいと感ぜられる物であろう。絵画、彫刻、美術工芸品、特殊建造物、名園、などなどを初め、日常の実用品のうち美しいと思われる物に至るまで、数え立てれば際限がない。然し設問の主旨はそんなところにはなく、特定のものを幾つか挙げて貰いたいのであろうし、或るいは風俗習慣や年中行事のうちの何かを挙げて貰いたいのであろう。