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Japanische Klassiker mit Furigana

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わたしのりれきしょ

私の履歴書

井上 貞治郎

Lesen Sie 私の履歴書 (わたしのりれきしょ) von 井上 貞治郎 (いのうえていじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.380 Zeichen · 69 Bildschirme

Aozora Bunko

ひどい労働で疲れ切っていた私は、いくぶん肉体労働にはうんざりしていた。

石炭屋は大阪の安治川あたりにかたまっていたので、俵松にいる間から、使いにやらされるたびに安治川の近くの口入屋には当っておいた。仕事を始めるときの用意に、ひまをみて四十八種類もある石炭の銘柄も暗記した。それほどまでにあこがれていた石炭屋になれるときがきた。九条新道の辻尾商店という石炭屋兼回漕問屋の店で、若い店員が一人いる話がはいったからである。俵松には国へ帰るといってひまをもらい、飛び立つ思いで早速出かけていって雇われた。ここでは私は「栄吉」と名づけられた。十八歳のときのことである。

『こんどこそは石炭屋でえろなってみせたるぞ!』私は大いに張切った。しかし惜しいことには、この店は木津のふろ屋の取込み詐欺にかかり、あえなく閉店のうき目にあった。私は出入りの仲仕兼助の世話で、同じ石炭屋の長谷川合名会社社長、長谷川忠七氏のもとで働くことになった。給料などは眼中になく商売につとめたかいあって、私は外交に出されるところまでこぎつけた。

腕だめしはこのときである。私はすべてを投出したつもりで、広い大阪の市中を走り回り、煙突のあるところをみれば石炭の売込みに飛び込んだ。