Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わたしのかつどうしゃしんぼうかんし

私の活動写真傍観史

伊丹 万作

Lesen Sie 私の活動写真傍観史 (わたしのかつどうしゃしんぼうかんし) von 伊丹 万作 (いたみまんさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.073 Zeichen · 30 Bildschirme

Aozora Bunko

やはりそのころ池袋の平和館へ何かむしかえしの外国物(「ジゴマ」の再上映?)を見に行つたことがあるが、その折阪妻の「影法師」という写真を見せられた。

この前後数年間に私の見た日本映画はほとんどこの写真一本にすぎない。

こうしているうちに私の生活は一日一日と苦しくなつてきた。二十七の秋にはいよいよ食つて行けなくなつた。絵かきとしての自分を殺すか、人間の自分を殺すか、方法は二つしかなかつた。ちようどそのときやはり同郷の人で絵をやつていた男が、いつしよに松山でおでん屋をやらないかという相談を持ちかけてきた。

金は何とか都合がつくという。死ぬるよりははるかにいい話なので私は喜んで賛成した。

かくて松山の土地に最初のおでん屋が出現した。

このおでん屋は最初は毎日平均二、三十円の売り上げがあつて、うまく行つたが次第にわるくなつてだんだんやつて行けなくなつた。

そのうちいつしよにやつていた友だちが次々と二人ともやめてしまつたので、私は借金といつしよに一番あとに残された。

翌年の夏には困つておでん屋を処分したが、あとにまだ借金が残つた。

かくて私はついにマイナスつきの無一物になつた。