Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わたしのかつどうしゃしんぼうかんし

私の活動写真傍観史

伊丹 万作

Lesen Sie 私の活動写真傍観史 (わたしのかつどうしゃしんぼうかんし) von 伊丹 万作 (いたみまんさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.073 Zeichen · 30 Bildschirme

Aozora Bunko

奈良の一カ月間に暇をみて「草鞋」というシナリオを書いた。

のち、監督をやるようになつたとき、第一回に用いたのはこのシナリオである。

奈良のプロダクションは容易に給料をはらつてくれなかつたのでしまいにはみな仕事をやめて、働いた分の給料を待つだけの目的で毎日撮影所へ詰めかけていた。

この間に我々の仲間の若い連中は、何かうまい食物はないかと考えたあげく、鹿を一頭眠らせようという企画を立てた。

さすがの私もこの非合法な案には賛成しかねたので行動隊には加わらなかつたが、いよいよ鹿の肉をあぶる香が聞えてくるという段取りになれば、それから先の行動はどうなつたか、いま考えてもあまり責任は持てない気がする。

若い連中は日本刀の斬れるやつを携えて、何でも二晩か三晩つづけて辻斬りに出かけて行つたが、何度も失敗して遂にあきらめてしまつた。

それでも最後のやつは相当深傷を負わせたらしく、翌朝行つてみたらそこらはたいへんな血であつたそうだ。

十二月の末になるといつしよに自炊していた香川君が台湾ヘ巡業の口ができ、私にもいつしよに行つてみないかという。プロダクションのほうは、もうまつたく見込みがなさそうだし、どう考えても行かないでいる理由が一つもないので私は行くことにした。