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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記 (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.638 Zeichen · 233 Bildschirme

Aozora Bunko

直義は容れた。

「さっそく、御自身、両名を伴って、連れ上っていただきたい」と。

直義との再三な交渉のすえに見た和解の条件を、親しく尊氏から聞かされると、師直は、不敵な日ごろの顔も失くして、その温情に泣いた。

「それがわが君にとって残されたただ一つの活路とあるなれば、何で私に異存ございましょう。よろこんで頭をまろめ、いつの日か、ふたたび出て来いとお召がかかるまでは、きっと遁世をよそおってよき日をお待ち申しておりまする」

そして彼は彼で、弟の師泰を切になだめた。ここは辱も我慢も忍ばねばなるまい、死一等を減じられただけでも僥倖とせねばならぬ、と。

師泰もまたいまはあきらめきッたふうである。すぐ連れだって近くの真光寺へ入り、髪をおろし、法衣に着がえ、笠、脚絆などまで請いうけて、

「さても、有為転変。おかしな姿をお互いに見たものですな」

と、相見て笑った。

すると一族の薬師寺公義がそれへ来てしきりに諫めた。

「約束はどうでも、先へ行けば結局、敵手にお身をまかせるしかない。はたして直義の禅門が心から憎しみを解いているかどうか。さらには越後の流刑先で横死した畠山直宗や上杉重能の家来どももいることです。