Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記 (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.638 Zeichen · 233 Bildschirme
茨とからたち
河内の山田とも、越後か信濃とも、遠江国の井伊谷とも、諸説まったく、とりどりである。
ところで、話をもどして、武蔵野合戦の大勝は、尊氏にとって、まさに死中に活をえたものといってよい。
彼は、鎌倉を取り戻した。鎌倉じゅうの敵を追って、元の管領邸におちついた。けれど、この頃からとかく彼の健康は、これまでのようでなかった。
茨とからたち
そのご、京都の留守をしていた足利義詮のうえにも、大困難がおこっていた。
かねて。予定のこととして。
賀名生の行宮を発輦していた後村上天皇は、住吉、天王寺などを経て、閏二月二十九日、八幡の男山に入られた。
南朝の天皇の還幸は、降伏した幕府代表の義詮としてはどうしようもなく、ただ奉迎の畏みでいたのである。ところが鳳輦が八幡に着くと同時に、およそ七、八千騎の軍勢がどこからともなく来て、夜のうちに洛外をうずめ、それらが一せいに旗手を解いて朝空にひるがえしたのを見れば、北畠顕能、千種顕経、楠木正儀、和田、越智、神宮寺など、いずれも南軍の精鋭であらぬはない。
「すわ……」
と幕府方では、目に見てからの立ち騒ぎだった。
義詮の若さ! 輔佐の家臣たちの間抜けさかげん! ともいえばいえる。