Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記 (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.638 Zeichen · 233 Bildschirme
そして河内へ行き、いらい二十二年の長い間、観心寺の片すみに一庵をむすんで、人知れず正成の掃墓をしていた。
これを彼は「尊氏さまに代って」とも思ってして来た。尊氏が多年、正成へ抱いていた思慕と深い惜しみは、彼のみがよく知っている。いわば「両雄の胸に秘された私の情」は――今生相容れぬ敵――と尊氏を呼んでいた正成の方にもあった。
「まずは、さようなわけで」
と、右馬介はことばを切った。そして、連れの三名を横に見ながら。
「じつは、尊氏さまの御逝去と聞き、都へ出てまいりましたところ、はしなく職屋敷のほとりで、日ごろ親しゅうしているこの方々と行き会うたのでございました。……聞けばお三名も、明石の検校どのを訪ねて来たが、今日は当道の門人一同と等持院へお出ましの模様らしい、どうしたものかというおはなし。……ならばいっそ、われらも等持院へ行って、御法要の終るのをお待ちしていたらと、そこでかように控えていた次第でございまする。……さ、元成どの、卯木どの」
「は、はい」
「つい自分ばかり喋っていましたが、いまこそです。さあ久濶の情をお遂げなされませ」
すると、覚一の方から先にはたと膝を打って言った。