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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅうふうふき

秋風不帰

山本 周五郎

Lesen Sie 秋風不帰 (しゅうふうふき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.593 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

なにかあったのだ、留守中になにか事件があったのだ、そう気付いた。

また一人、うしろ右手から、

「えいッ、とう!」

絶叫と共に突を入れる刹那、

「かあっ」

と、真正面から上段へ叩きつけて来た。

丁度挾殺のかたちになった、しかしその瞬間の隙を截って夏雄の体が躍動し、戛! という響と共に一本の剣は空へ叩きあげられ、正面から踏み出した一人は烈しくのめって行って、町家の障子ごと家の中へ顛倒した。

脈数にして二つ。

夏雄の両足は元の土を踏んで寸分も動かず、木剣は青眼、鼻梁の上にぴたりと静止していた。

「手強いぞ、油断するな!」

「脇を詰めろ」

「待て、逸まるな、助勢が来る」

短い叫びだが、夏雄の耳には、一語々々針のように突刺さった。

――事情が分るまでは、一人も斬りたくない。

そう思ってはいるが、必死を期しているらしい人数に、若しこのうえ助勢が来たらこのままでは済まなくなる。

――切り抜けるなら今のうちだ。

覚悟を決めたとき、凄まじい蹄の音がして、町外れの方から一頭の放れ馬が狂気のように疾駆して来た。正に天の祐けである。

「危い、馬だ!」

「馬だ」

呼び交わして刃襖の一方が割れる。