Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅうふうき
秋風記
Lesen Sie 秋風記 (しゅうふうき) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.011 Zeichen · 17 Bildschirme
宿を出た。走った。
橋のうえで立ちどまって、下の白い谷川の流れを見つめた。自分を、ばかだと思った。ばかだ、ばかだ、と思った。
「ごめんなさい。」ひっそりKは、うしろに立っている。
「ひとを、ひとをいたわるのも、ほどほどにするがいい。」私は泣き出した。
宿へかえると、床が二つ敷かれていた。私は、ヴェロナアルを一服のんで、すぐに眠ったふりをした。しばらくして、Kは、そっと起きあがり、同じ薬を一服のんだ。
あくる日は、ひるすぎまで、床の中でうつらうつらしていた。Kはさきに起きて、廊下の雨戸をいちまいあけた。雨である。
私も起きて、Kと語らず、ひとりで浴場へ降りていった。
ゆうべのことは、ゆうべのこと。ゆうべのことは、ゆうべのこと。――無理矢理、自分に言いきかせながら、ひろい湯槽をかるく泳ぎまわった。
湯槽から這い出て、窓をひらき、うねうね曲って流れている白い谷川を見おろした。
私の背中に、ひやと手を置く。裸身のKが立っている。
「鶺鴒。」Kは、谷川の岸の岩に立ってうごいている小鳥を指さす。「せきれいは、ステッキに似ているなんて、いい加減の詩人ね。あの鶺鴒は、もっときびしく、もっとけなげで、どだい、人間なんてものを問題にしていない。