Japanische Klassiker mit Furigana
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ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
Lesen Sie 秘境の日輪旗 (ひきょうのにちりんき) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.829 Zeichen · 169 Bildschirme
表面に、唐草模様を彫り出し、赤や、青や、緑や、黄や、紫の色どりをした長さ三十センチ、幅十五センチほどの細長い小箱で、蓋をとりのけて見ると、赤く塗った箱の中に、レモン色の、羊のなめし革を折りたたんだものが入っていた。
「羊の革を使ってあるから南蛮かと思ったら、この模様が南蛮風でもなし、唐様でもなし天竺風でもないでしょう」
旦斎が、丁寧に、それをひろげるのを見て、骨董屋がいった。
「うむ、なるほど、これは面白い……買取ろう、価はなにほどだ?」
旦斎は、ひどく乗気になって、さっそく、買取ることにした。
羊の革の模様のように見えたのは、「古文」といって、古い時代の漢字だった。旦斎には一目でそれがわかったのだ。
「その園部旦斎という人が、つまり祥子さんの御先祖なんだよ」
謙一がひと息した。
「えっ! じゃあ、祥子さんの家に、その箱があったんですか?」
「うむ、だが、それを話す前に、まだいろいろな話がある……」
謙一はつづけた。
旦斎は、羊の革の文字を、一字一字翻訳してみて、前に話した、渤泥(ボルネオ)に渡ったひとびとのことがわかった。
旦斎は、それで満足せず、自分でじきじきに渤泥を探険するつもりで、その文書が、どうして日本に渡って来たか、どういう経路を通って骨董屋などの手に入ったか、いろいろ研究をつづけた。