Japanische Klassiker mit Furigana
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ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
Lesen Sie 秘境の日輪旗 (ひきょうのにちりんき) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.829 Zeichen · 169 Bildschirme
殊によると……いや、たしかに人違いに違いないのだが顔があまりよく似ているので、英夫はつい、祥子の名を呼んでしまったのだ。
すると、少女もびっくりしたらしく、
「えっ!」
と、かすかにおどろきの叫びをあげた。
「君の顔が、僕の知っている祥ちゃんにそっくりなんで、おどろいたんだけど……なんだって君はこんなところにかくれているんだね? ああそうか。君の方からは僕の顔が見えないんだな」
「まあ、英夫さん!」
少女は、弾かれたように立上ると、英夫の方に駈けよって来た。
やはり祥子だったのだ! なんという不思議なめぐりあわせだろう!
「よかったわ、英夫さんに会えて……」
祥子は、涙を一ぱいためて、よかったわよかったわと何どもくりかえした。
「どうしてこんなところへ来たんだい、僕、きっと人違いだろうと思ったよ」
「いろいろわけがあるの、だけど、英夫さんこそ、どうしてこんなところへ来られて? やはり、あたしのように箱の中にかくれて来られたの」
「箱の中に……ああわかった、祥ちゃんは密航しようとしていたんだね」
「ええ、だってお金がなかったんですもの、仕方がないわ」
「僕は、シンガポールの兄さんのところへ行く途中なんだ。