Japanische Klassiker mit Furigana
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ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
Lesen Sie 秘境の日輪旗 (ひきょうのにちりんき) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.829 Zeichen · 169 Bildschirme
「僕は、そのトランクが怪しいと思うね――、中味を調べて見よう」
「ええ、あたしもそう思うわ」
トランクの在所はすぐわかった。が、鍵がかかっているらしくあかなかった。
それは、黒い革の、ありふれた旅行用のトランクで、ちょっと見ると何の不思議もないようなものだったが、ひどく重かった。
英夫は、何か思いあたったらしく、そっと耳をあてて見た。
と、聞える……かすかに、コチコチコチと時計のセコンドを刻む音が聞えるのだ。
「時計爆弾だ!」
「えっ!」
二人は顔を見合わした。
「どうしましょう、何か道具がないとあけられないわ」
「これで趙の一味の素性もわかったわけだ。この船に軍需品を積みこむのを狙って爆破しようとしているのだ」
「じゃ、軍用船だったのね、あたし、ちっとも知らなかったわ……大へんだわ、すぐ船長さんに知らして上げなくっちゃ」
「ところが、外から錠がおりてるんで、僕も出られないんだ」
「まあ!」
「ゆうべ僕が時計を見た時十一時四十五分だったから、十二時に装置したとすればこの十二時か、今夜の十二時に爆発するようになってるのかも知れないね。この十二時だと、あと十五分しかない!」