Japanische Klassiker mit Furigana
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ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
Lesen Sie 秘境の日輪旗 (ひきょうのにちりんき) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.829 Zeichen · 169 Bildschirme
ビスケットで空腹をみたすと、二人は急に眠くなって来た。激浪の中を、ボートにしがみつきながら漂流した、張りつめた気持が、バネの止金を断ったようにゆるんでしまったらしかった。それに、ストーヴのようにやかれた砂浜の熱気と、頭から照りつける太陽の直射光とで全身がけだるく、今にも目がくらみそうだった。
夜になるまでに寝場所を作らなければならない。それにはボートを海岸から引き上げてその中で寝るのが一ばん手っ取り早かった。
浅瀬の上から重いボートをすこしずつ引き上げようとして、無駄な努力をしているうちにはげしいスコールがやって来て、折角の努力も見すてなければならなかった。
二人は急いで、雨のあたらない遠くの岩かげに逃げてよけるとそのままぐっすり眠ってしまった。
「大へんだ! もうじき夜だ!」
英夫がおどろいて目をさました時には、ものかげが、ながながとのびて、日没の近いことをつげていた。
祥子は、まだ眠そうに、しばらくぼんやりと目を見開いていた。
「しかたがないから、今夜はあの椰子の樹の下で露営することにしよう。さっきしらべて見て無人島だということがわかったから、これからどうして命をつないで行くか、どうして救いをもとめるか、そんなこともいろいろ考えなければならないんだ。