Japanische Klassiker mit Furigana
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ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
Lesen Sie 秘境の日輪旗 (ひきょうのにちりんき) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.829 Zeichen · 169 Bildschirme
二人はまた、おそろしかった船の中の出来事と、船長や、宮崎運転士のことを思い出した。
月はなかったが、何といううつくしい星空だろう! 碧黒い壁一めんに、銀の鋲を打ったような星がちかちかとかずかぎりもなく瞬いていて、手をのばしただけで、つかみ取れそうに近かった。
「綺麗な星ね、あたし生れてからこんな綺麗な星空って見たことがないわ……あっ! 流れ星――」
祥子が、いった時、
「わかった!」
と、英夫が、びっくりするような声で叫んだ。
「びっくりしたわ、何がわかって?」
「ほら、ここはやはり南支那海の中なんだ」
英夫は、一つの大きな星を中心に連った八つの星を指さした――兄の謙一中尉がいつか教えてくれた星座を、英夫はおぼえていた。
「じゃ、どこの国の島なんでしょう?」
「さあ、そいつはわからないんだ、日本の新南群島の近くかも知れないし、それとも、もっと南になるのか、どっちにしても赤道に近いことはたしかだね」
「こんなところ、船が通るでしょうか?」
「そいつもわからないね、辛抱強く待っているうちに日本の軍艦か、敵国の潜水艦かどっちか通るかも知れない、ひょっとしたら何年も何年もここにいなければならないかも知れない」