Japanische Klassiker mit Furigana
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ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
Lesen Sie 秘境の日輪旗 (ひきょうのにちりんき) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.829 Zeichen · 169 Bildschirme
祥子が、囁いた。
「作ってからまだ間がないらしいよ、その証拠に、漆喰がまだ乾ききっていないところもあったもの」
二人はまた、階段をのぼった。
島を出る時から二人ともずっとはだしだったので、足音をたてずにしのび歩くのには都合がよかった。
こんどは、あまりにもの凄いものにぶっつかって、二人とも、きもを冷やした。――そこは機雷や、砲弾や、あらゆる武器が無数におかれている、軍需品倉庫だったのだ。
偶然に鍵を閉め忘れたのか、それとも、まだ、完全に出来上らないので、わざとそうしているのか、こうした危険な部屋にも、鍵をかけている形跡がなく、砲弾が廊下にまで無雑作におかれてあった。
二人の背丈よりも高い機雷のある部屋で、何気なくそれに触れて見ようとした英夫は、
「あっ!」
と、あわてて手を引っこめた。――右手に握りしめていた釘が、もぎ取られるように英夫の手をはなれ、貼りついたようにぺたんと機雷に吸い寄せられてしまったのだ。
部屋のなかを見まわしていた祥子も、おどろいてふりかえった。
「吸着機雷だよ、この表面に強い磁力があって、軍艦なんかには、こっちが吸いついて行って爆発するんだ」