Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんのしゅっぱつ
秦の出発
豊島 与志雄
Lesen Sie 秦の出発 (しんのしゅっぱつ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.532 Zeichen · 29 Bildschirme
、第4水準2-92-68)との三種になっている。丹永はまたふしぎにこれが好きで、他に食事をとらなくてもこれだけで過す日もあるとかいう。自慢ほどあって味もよく舌ざわりもよい。ウォートカを飲みすぎたあと、この甘っぽい饅頭は殊にうまかった。それは腹をふくらすと共に、アルコール分を落着かせ、話題を少くさした。
そのところへ、意外にも、柳丹永が出て来たのである。私のつもりでは、饅頭が主で、見舞は従であり、しかも、どうせ丹永の室に行けるわけではなく、見舞の言葉だけを置いて帰るつもりだった。それが、先方から出て来たのだ。
寝間着の上にはおったらしい紫ビロードのガウン姿、それでいて細そりと見え、唐草地模様の桃色のネッカチーフを、黒髪の上からすっぽりと※(「臣+頁」、第4水準2-92-25)へ結んでいる。その絹布からのぞいてる彼女の顔を、私は思わず視つめた。血の気が引いたような白い薄い皮膚の下、緊張した肉に殆んど何等の動きも表情もない。生理的な営みが瞬時に停止して而もなお生きているとするならば、恐らくこういう顔になるだろう。そのなかで、ごく緩やかな動きしかなさない黒目の一点にぽつりと光を浮べ、薄い唇のはじに犬歯の先端が白くほの見えている。