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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちちぶのけいこくび

秩父の渓谷美

木暮 理太郎

Lesen Sie 秩父の渓谷美 (ちちぶのけいこくび) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.963 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

中にも大淵は西沢最大の釜で、さしわたし百米を超えていよう。瀑も大小合せて二十に余るであろうが、口元の魚留瀑と終りに近い不動瀑とが、三、四丈の高さがあって最も見事である。この釜と瀑とに沿うて遡上するには、十時間近くを要するし、困難な崖へつりや高廻りをしなければならないので、谷歩きに慣れぬ人には薦め難い。

東沢を下流から望むと、鶏冠山がのし懸るように聳えているので、どんな恐ろしい所が待構えているかと心配になる。けれども這入って見れば夫れ程でもない。尤も法螺ノ貝を中心として上下十町許の間は、絶対に河床を辿ることは不可能であるが、それを除けば全部河床を歩くことを得るのは、不思議と称してよい程である。法螺ノ貝というのは丁度鶏冠山の南側に在って、河が大きな淵を成している。其上を高さ一丈か一丈四、五尺位の岩の円天井が掩うている。天井の何処かに穴があって、其穴からさし込んだ光線は、藍の水を透して底に達し、それが更に反射して下から天井を彩どり、琅のような色が洞内に漂うている。其奥の方に瀑があるらしく、飛沫の躍るのがほの白く目に入るが、瀑の姿は見られない。私達は偶然此処に下り込んだのであった。