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Japanische Klassiker mit Furigana

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ほどよいひと

程よい人

豊島 与志雄

Lesen Sie 程よい人 (ほどよいひと) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.328 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

終戦後、互に音沙汰もなく過して、私がもう忘れかけている頃、彼はふいに私の宅へ訪れて来た。いろいろ貴重な品物をリュックに一杯つめこんだのを、手みやげにと差出した。

「お礼の気持ちです。」

その言葉が初めは私の腑に落ちなかった。

彼の態度や言葉には、鄭重さと粗暴さとが別々に目立ち、彼の服装にもきりっとしたものと投げやりなものとが混り合っていた。つまり、どこか統一のとれない感じだった。話を聞いてみると、彼は闇ブローカーのような仕事をしていたが、最近は金貸業を始めたとのことで、私はちょっと唖然とした。

それからなお雑談してるうちに、彼のお礼の気持ちというのも分った。部隊解散の折、莫大な軍需品が或る程度まで経理部の自由になったので、私は、黒川の家庭が貧しいと聞いていたから、若干量の物資の自由処分を彼に黙許してやった。そのことを彼は恩に着てるのである。彼はその時に得た金を元手に、闇ブローカーを始め、それから金貸しへと転業した。だが、資金はまだ充分でないらしい。

「このようなこと、お気に入りますまいが、ひとつ、銀行に金を預けるつもりで、私に預けませんか。責任を以て、月二割の利子を差上げます。