Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

いのうはりまのかみ

稲生播磨守

林 不忘

Lesen Sie 稲生播磨守 (いのうはりまのかみ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.172 Zeichen · 29 Bildschirme

Aozora Bunko

この時庭からの風で、ふっと燭台の灯一つ二つ消えて、あたり薄暗くなる。

郁之進 (独り言のように、陰々と)持ち主にして邪念無道なれば、刀もまた悪しき方へ役立つものと、愚考いたします。

播磨 (乗りだして)邪念無道? いや! なんでもよい。これ! 郁之進、この加世はなあ、この加世は――。

郁之進 (その播磨守の声を耳に入れまいと、呪文のように)いえ、その女めは、失礼ながら殿へ献上仕りましたもの――要は、刀に善悪なくして――。

播磨 ええい、解っておるというに!

郁之進 いいえ! おわかりではござりませぬ。刀に善悪はないのです。帯びる者の心で、凶相にも吉相にもなるのですっ。

播磨 (上機嫌に)よくぞ申した。そうだとも、そうだとも! そちの言うとおり。

起って、ぴたりと郁之進の前へ来て坐る。

播磨 刀を見せい。ささその主殺しの相あるという景光を、余は見たい。

郁之進 (恐懼して)いえ! とんでもござりませぬ。さような悪剣と観相されました以上、なにとぞ御免を――。

播磨 大事ない。これ、見せろというに!

と刀に手をかけて、引き寄せようとする。郁之進は必死に刀を押さえて、尻込みする途端、立ちかけた彼の手から、下に向けた柄の重みで、さっと鞘を辷って刀身が流れ出る。