Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あさまさんろく

空にむかひて 若杉鳥子随筆集

若杉 鳥子

Lesen Sie 空にむかひて 若杉鳥子随筆集 (あさまさんろく) von 若杉 鳥子 (わかすぎとりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.542 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

その日の午後、私達は碓井の麓で袂れを告げた。リュックサックも何もなしに、雨傘一本で山から山へと歩いてゆく、友達の身軽な姿を私は振り返って見送っていた。

――今年も私は頻りとその女性のことが思い出されてならなかった。然し今度はそういう道伴れもなく、独り旅を続けた。独りの旅は寂しいというよりも、勿体なくて仕方のない気持ちだ。何処へ行こうと、集まることさえできるなら、そこにはきっと胸を割って話しあえる、多くの友達があるに違いない、そして私達は熱心に芸術を語り、生活を語り、希望に就いて語るに違いない、だのに無意味に黙々として歩く。それは如何に相対する自然が美しくあろうと、荘厳であろうと、物足りない、もっと胸をうつものがあるべきだ。

こんなことを思うのは、それは私達が都会人であるからだろうか、否々今まで集団の生活をして来たために違いない。だから独りになると渇くようにそれを感ずるのかも知れぬ。