Japanische Klassiker mit Furigana
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くうちゅうせいふく
空中征服
賀川 豊彦
Lesen Sie 空中征服 (くうちゅうせいふく) von 賀川 豊彦 (かがわとよひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.687 Zeichen · 215 Bildschirme
五 すべての人が必要を知る
「そうです、神様、今日の煙筒はまったく私たちに関係のないことであります。あれは地球が宿命的に産んだものであります。いや、自然に地球から生えたものだと思います」
それを聞いて神様はカラカラと声高くお笑いになった。その声があまり大きいので彼は幻から醒めた。そして神様のような高笑いで、市長室に入ってくる市会議長と三人の市会議員を見た。神様の笑い声と思ったのはまったく市会議長の笑声であった。
五 すべての人が必要を知る
挿絵5
市長室で、市会議員連の話したことは、まずザッと次のようなものであった。
「ね、市長、実際大阪の煤煙はどうにかしなくてはいけませんな。うちの子供はみな弱くて、とても長生きはしないだろうと私も諦めております。どいつもこいつも青白い顔をして、リンパ腺は腫れ上る、咳はする、毎日医師に診てもらう、私はほんとに大阪の空が呪わしく思います」
これは西区選出の堀江喜一郎の言葉であった。それをうけついで、市会議長の船場繁昌は誰に言うともなく独り言のように言うた。
「ほんとに困ったことです。私などは今年は嫁にやらなければならぬ大きな娘を持っておるのですが、やはり大阪の煙のために肺を悪くしましてな、ただ今は浜寺に保養させているのですが、実に困っております」