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Japanische Klassiker mit Furigana

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くうちゅうせいふく

空中征服

賀川 豊彦

Lesen Sie 空中征服 (くうちゅうせいふく) von 賀川 豊彦 (かがわとよひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.687 Zeichen · 215 Bildschirme

Aozora Bunko

四七 涙の洪水

彼はそれから色々のことを考えた。

医者の非人道的なこと、特志看護婦人会の必要、医師の義勇奉仕団の必要などしみじみと繰返し考えた。

「そうだ、私はこれらの貧しいもののために市長に選ばれたのだ、私はこれからしっかりやらねばならぬ」

賀川市長は自らを励まし、家に帰ったが、どうしても寝られないので、また家を脱け出て、一人貧民窟の路次をさまようた。

「どうして、私だけがこんなに苦労しなくちゃならないのだろうか? なぜ、自分はもう少し楽な生活を送らないのだろうか? なぜ世界にはこんなに苦痛が多いのであろうか? 」

こんなに考えながら,彼はフラフラと貧民窟から出て、大阪の真夜中を泣きつつさまようた。

誰も知っている人はない。世界は深い眠に落ちている。が、彼は大阪市の罪悪と誤謬を思うとどうしても眠られない。狂気せるもののごとく万斛の涙を流しつつ街から街を一人歩いた。

四七 涙の洪水

挿絵47

「あまりに淋しい夜だ! 」

「人生に救いはないか! 人生の闇はいつ晴るのだ! 」

こんなに考えて歩いていると、何時の間にか彼は、自らが何者であるかを忘れてしまった。

「とにかく、私は泣いて泣いて大阪を涙漬にしてやろう」