Japanische Klassiker mit Furigana
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くうちゅうせいふく
空中征服
賀川 豊彦
Lesen Sie 空中征服 (くうちゅうせいふく) von 賀川 豊彦 (かがわとよひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.687 Zeichen · 215 Bildschirme
乗物は光線列車……アインスタインの相対性原理による、光線列車の軌道は多少湾曲しているけれども、九千三百万マイルを八分間に走ることが出来る。それで火星までは三分とはかからぬと思う。光線列車の窓からは決して首や手を出さぬこと、首や手を出すことがあれば、絶対零度の空間を通過する場合に、冷気のために凍え落ちてしまう恐れがある」
火星行の光線列車は約六千人の天人を乗せて出発した。後に残った天狗と鼻垂れの二人は顔を見合せて笑った。
「おい、えらいところにやって来たものじゃなア」
「どうしようか? 大急ぎに着陸して東京へ帰ろうか? 」
二人は東京に帰る約束をした。で砲撃を受ける前に着陸して、素知らぬ顔をして梅田まで歩いて行った。
「おい、やはり煙がひどいなア、空中村に住んでいて、煙の底に帰ってくると、人間がよほど下等に見えるなア」
「我らは一段先に進み過ぎていたようだなア、煤煙防止がまず第一の仕事だなア」
「しかし今日の資本家じゃ、とてもそのことがわかるまいよ」
彼らは落ち付き払って淀屋橋を渡っていると、
「こら待て! おまえらは、どこへ行くのだ? 」
大きな眼を光らせてゴロツキが呼び止めた。