Japanische Klassiker mit Furigana
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くうちゅうせいふく
空中征服
賀川 豊彦
Lesen Sie 空中征服 (くうちゅうせいふく) von 賀川 豊彦 (かがわとよひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.687 Zeichen · 215 Bildschirme
二一 若き娘の煩悶
「その娘さんの言われることはあなたの言われるのとまったく同じでしてね、自分が肺病にかかったのも、まったく大阪市に煤煙が多いからで、その煤煙防止運動をしてくれる賀川市長は実に大阪市の恩人であるはずだのに、お父さんが自分の商売仇のように、市会でいじめるのは実にいけない。そんなわからずやのお父さんなら、私は破門せられても、大阪市民のために、賀川さんの味方の一人に加えてもらって、空中征服運動に参加したいと言われるのです」
「フム、それでは私に一人の共鳴者が出来たわけですね」
そう言うて賀川市長は得意になった。
二一 若き娘の煩悶
挿絵21
「ところが、お話したいのは、これから先のことです」
「ヘヘエ、話はまだ切れておらないのですか」
吉兵衛さんは鼻の先に皺を寄せて面白い視線を賀川市長に向けて語った。
「これからなんですよ、あのね、賀川さん、あなたは島村信之という方とご昵懇でおられますか? なんでも早稲田を出られた方で、大阪機械労働組合の主事とかをしておられる方だそうですが……」
「ええ、よく知っておりますよ、島村君が……どうしたんです? 」
「その方は菊子さんというのですがね、島村さんという方とえらいお熱くなっておられるのだそうです……それでね、賀川さんに一つ話をしてもらって、一緒にしてもらいたいというのがご両人の希望だそうです