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Japanische Klassiker mit Furigana

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くうちゅうひょうりゅういっしゅうかん

空中漂流一週間

海野 十三

Lesen Sie 空中漂流一週間 (くうちゅうひょうりゅういっしゅうかん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.324 Zeichen · 35 Bildschirme

Aozora Bunko

これが意識を回復した六条がいった最初の言葉だった。

それからまたあと三時間ばかり、彼は昏々として眠った。

その次に目覚めたとき、彼は本当に気がついたのであった。ゴンドラの中には飛びちった血の痕がもうくろずんでいた。ふしぎに生きているなという気持であった。彼は左手をのばして、あたりを幾度も幾度もさぐっていた。やがて硬い丸いものが二つ三つ、彼の指先にふれた。

握りしめて、眼の前へもってきて開くと、それは固形ウィスキーであった。ああ天の助けだなと、そのとき彼は思ったことであった。

彼は、貪るように、その二つを喰べた。それはまるで霊薬のごとくに、彼を元気づけた。彼は思わず、最後の一つを口のところへ持っていきかけたが、急にそれをやめて、

「キンチャコフ!」

とよんだ。

「……」

キンチャコフの腕が、六条の腕の方につつーっと搦むように近よってきたが、固形ウィスキーは、ぽとんと二人の間に落ちたままになって、それから数時間を、二人は昏々として眠った。

それから一日二日たったと思うころ、六条もキンチャコフも、相変らずゴンドラの底に寝たままではあるけれど、どうやら口だけ利けるようなところまで体力を回復した。