Japanische Klassiker mit Furigana
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あきや
空家
宮崎 湖処子
Lesen Sie 空家 (あきや) von 宮崎 湖処子 (みやざきこしょし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.554 Zeichen · 30 Bildschirme
ものなかりしなり、さてはと身を起して闇を捜りたれど、阿園はいずこにもいず、ただ裏の戸明け放しありて、向いの空ほのぼのと明けゆく模様なりしなり、佐太郎は愕とせり、彼はそのままソッと戸を締め、夜明けぬ間に己が家に忍び走れり、
下
古門村の後には、村と同名の山脈連なり、峰は高きにあらずといえども、満山隠然として喬木茂り、麓には清泉灑げる、村の最奥の家一軒その趾に立ちて流れには唐碓かけたる、これぞ佐太郎が住居なりき、彼は今朝未明に帰り来たり、夜明けたれど外にも出でず、残暑焔ゆるがごとき炉の傍に、終日屹坐して思いに沈みぬ、その日の夕、にわかに戸を敲くものありき、彼は愕として飛び立ちしが気を静めておそるおそる戸を明けしに、その友の一人なる壮年なりき、突然とし彼は曰えり、「佐太郎和主も来たり見よげに希代のものを捜し出せり、疾く疾く疾く来よ」
佐太郎は思い当るところあれば青くなり、心には拝むようにして外に出るを拒みたるも、今にして止むべきにあらざれば、彼は牢に牽かるる罪人のごとく悄々と随いゆきぬ、常にはほかに訪う人なかりし寡婦が住居の周囲に、今はほとんど人の山を築けり、彼らは今来たる