Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
くうしゅうそうそうきょく
空襲葬送曲
海野 十三
Lesen Sie 空襲葬送曲 (くうしゅうそうそうきょく) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 95.012 Zeichen · 189 Bildschirme
「ほう、ビール樽からの手紙じゃなくて、これは『狼』からのだな」
狼といい、ビール樽というところを見ると、男爵というのも、大分怪しいことだった。青年のキリリとした伊達姿が「男爵」という通称を与えたのかも、知れなかった。
「おい、真弓。手紙を読む間、あっちへいっとれ」男爵は、真弓の頬っぺたを、指の先で、ちょいと、つついた。
「うん――」真弓は、だしぬけに、男爵の首ッ玉に噛りつくと、呀ッという間に、チュッと音をさせて、接吻を盗んだ。
「莫迦――」男爵は、満更でもない様子で、ニヤリと笑って、真弓の逃げてゆくあとを、見送った。
それから男爵は、急いで、入口のカーテンを引いた。次に彼は、驚くべき敏捷さでもって、内懐から、黄色い手袋を出して嵌め、そしてどこに隠してあったのか、マスクをひょいと被ると、例の封筒を指先で摘みあげて、端の方を、鋏で、静かに截り開いた。封筒の中からは、四つに折畳んだレターペーパーと、百円紙幣とが出て来た。紙幣の方は、そのまま、封筒にかえし、彼は手紙の方をとりあげて、おそるおそる開いた。
(ちえッ。白紙でやがる!)
彼は、何にも文字の書いてない白紙を卓子の上に拡げると、衣嚢の中から、青い液体の入った小さい壜を取出した。