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Japanische Klassiker mit Furigana

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くうしゅうそうそうきょく

空襲葬送曲

海野 十三

Lesen Sie 空襲葬送曲 (くうしゅうそうそうきょく) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 95.012 Zeichen · 189 Bildschirme

Aozora Bunko

いるという物凄い飛行船だった。

日本陸軍にも、海軍にもこれに比敵する飛行船は、一隻もなかった。極く小さい軟式飛行船が、二三隻海軍にあったが、それは、鷲の側によった雀にも及ばなかった。

兼ねて、襲来するかもしれないと思われていたのであるが、いま斯うして、北海道と、青森県の、ほぼ中間を覘って、大挙襲来しているのを知っては、流石に、戦慄を感じないわけに行かなかった。

(あの尨大な爆弾を、どこに落すのだろうか?)

恐らく合計して百噸の上にのぼる、爆弾だった。帝都でさえ五噸の爆弾で、灰燼になる筈であった。百噸を一度に投下するときは、房総半島なんか、千切れて飛んでしまいそうに、思われた。

この戦慄に値する報告書を前に、司令部の幕僚は、流石に黙して、何も語らなかった。果して彼等の胸中には、勝算ある作戦計画が秘められているのであろうか。それとも、戦慄の前に最早言葉も出でないのであろうか。

そのとき、卓上電話のベルが、ジリジリと鳴った。

「なに、帆村君か」

湯河原中佐が、大きい声を出した。

「閣下も、お待ちかねだ。早く来給え」

帆村探偵が、此の室に、姿を現わしたのは、それから五分と経たない後だった。