Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
くうしゅうそうそうきょく
空襲葬送曲
海野 十三
Lesen Sie 空襲葬送曲 (くうしゅうそうそうきょく) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 95.012 Zeichen · 189 Bildschirme
父親が浮かぬ顔をした。
「まア、お父様は慾ばってんのねえ」と紅子が、わざとらしく眼を剥いた。
「○国てどこなの、兄さん」と素六が弦三の腕をゆすぶった。
「僕には解らないこともないが……」弦三は唇をゆがめて小さい弟に答えた。
「どうせ日本の相手はアメリカだよ」黄一郎が、ずばりと云った。
「お父さん、この瓦斯マスクを、新しい意味で受取って下さい」
弦三の顔は、緊張にはちきれそうだった。
「そんなに云うなら」
と長造は、自分のお尻のそばに転っている不恰好な愛児の製作品をとりあげて云った。
「お父様はお礼を云ってしまっとくよ」
そのとき、戸外では、号外売りの、けたたましい呼声が鈴の音に交って、聞こえ始めた。そして、また別な号外売りがあとからあとへと、入れ代り立ち換り、表通を流していった。
晴やかな笑声に裹まれていた一座は、急に沈黙の群像のように黙りこくって仕舞った。
下田家の奥座敷には、先刻とはまるで異った空気が流れこんだように思われた。誰もそれを口に出しては云わなかったが、一座の家族の背筋になにかこうヒヤリとするものが感ぜられるのだった。
不吉な予感……
強いて説明をつけると、それに近いものだった。