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Japanische Klassiker mit Furigana

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くうしゅうけいほう

空襲警報

海野 十三

Lesen Sie 空襲警報 (くうしゅうけいほう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.838 Zeichen · 92 Bildschirme

Aozora Bunko

その毒瓦斯にもいろいろある。

それをまかれると、やたらにクシャミがでて、しまいには頭痛嘔吐になやむジフェニール、クロールアルシンなど、また涙がポロポロ出てきて、眼があけられず、胸が痛みだすというピクリン瓦斯。また嗅げば肺臓がはれだし、息がとまって死ぬようなことになるホスゲン瓦斯、もっとひどいのはイペリット瓦斯で、身体に触れるとひどくただれ、大きな水ぶくれができ、だんだん目や肺や胃腸をわるくしてゆくという恐ろしいものだ。その外にもまだ秘密にしている新毒瓦斯があるというから、それも持ってきて撒くにちがいない。――ああ、地獄の世界は、見まいとしても、もう一時間か二時間のうちに、見られるのではないか。われらの準備はできているかしら。……

突如、高射砲陣地に、連隊からの警報電話が入ってきた。

「第四艦隊発警報。――敵ノ超重爆撃機二機ヲ、遂ニ南方ニ見失エリ。他ノ一機ハ高角砲ニヨリ粉砕シ、他ノ一機ハ海中ニ墜落セシメタリ。本艦隊モ駆逐艦一隻損傷ヲ受ケタリ」

「超重爆撃機二機ヲ南方ニ見失エリ」――ああ、それではいよいよやって来るぞ。

おお、憎むべき空魔!

その空魔は、いまや刻一刻、わが海岸に近づきつつある。