Japanische Klassiker mit Furigana
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とってい
突堤
宮本 百合子
Lesen Sie 突堤 (とってい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.221 Zeichen · 15 Bildschirme
連山を見晴す風通しのいい茶の間で三人の孫がチャブ台をとりまき、盛りあげた飯の上に枝豆を青々と弾きかけ、おいしそうに食べている。おばあさんの御飯はとうにすんでいる。糊のこわい白絣の膝の上へ肱をつき、長煙管でゆっくりとあやめをふかしながらおばあさんは孫たちの食べる様子を眺めていたが、ふっと、
「お前ら、帰るまでには一遍どこさか連れてって呉れずばなんめえなあ」
と云った。孫たちは、
「つれてって!」
「連れてって!」
「あした連れてって!」
と湧き立った。倹約なおばあさんにしては全く珍しい。
「どこさいぐ?」
そう云われると子供らは急にどこへというような場所をかねがね知っているというわけでもないのであった。
「浄土松さでも行って見るか?」
「岩のある山でしょう? 詰らないわ」
私は、
「猪苗代湖へつれてってよ、ね」
と云った。
「それも涼しくっていいか知んねえなあ……」
私は弟たちも湖というものはまだ見たことないのを知っているのであった。
私共がお八つにゆでた玉蜀黍を食べている間に、おばあさんは黒い紗の袂を暑さに透かせ小さい蝙蝠傘の黒い影を赤土の上にくっきり落しながら、猪苗代湖行きの相談にどこへか出かけて行った。