Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はしがき

童話集 春

竹久 夢二

Lesen Sie 童話集 春 (はしがき) von 竹久 夢二 (たけひさゆめじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.531 Zeichen · 97 Bildschirme

Aozora Bunko

気の弱いAも、そうするより外ないと思って、Bのようにすることに決めました。

「ニコライへいって見ないか?」

「ああ」

そこで二人の小さな中学生は、大学の学生が大威張りで銀座を散歩するようなつもりで、もしその勇気があったら巻煙草をくわえて肩をあげて、ついついという足どりで、歩いて見たいのでした。

「なあんだ、ニコライ堂は帽子を脱いでしまったじゃないか」

塔を見あげながら生意気らしくズボンのポケットに手を入れて、Bが言いました。

「ほんとだ、地震に降参しちゃったんだね」

Aはまだどうも学校へ講義をききに這入れなかったことが気になって、すっかり、散歩する気持になれないでいるのでした。

学校では、地理の教師のカイゼル(その髯からのニックネーム)が、教壇の上で出席簿をつける。

「ミスタ、ヤマダ」

「ヒヤ」

「ミスタ、コバヤシ」

「ヒヤ」

「ミスタ、ヤマカワ」

「ヒイイズ、アブセン」

Aは、ニコライの柵のところから、東京の街を見おろしながら、ミスタ、ヤマカワと呼ばれたような気がして、ひやっとしたのです。

「山川、銀座の方へ散歩しようじゃないか」

Bがそう言ったのです。

「うん」

「しっかりしろよ、もう学校はあきらめたんじゃないか」