Japanische Klassiker mit Furigana
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はしがき
童話集 春
竹久 夢二
Lesen Sie 童話集 春 (はしがき) von 竹久 夢二 (たけひさゆめじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.531 Zeichen · 97 Bildschirme
事実またそうであったかもしれません。この場合「何処の紳士かと思ったら」というのは、ほんとに適評だったので、皆はどっと笑いくずれました。
幹子も一緒になって笑いながら「お早う」と挨拶して、つまらないお友達にかまってはいられないと言ったように、さっさとそこを通りぬけて、まっすぐに学校の方へ歩いた。
「あのくらい蝙蝠傘が大きかったら日にやけないで好いわね」
「ええ、だから幹子さんは、お色が白いわよ」
そう言って冷笑しているのも幹子の耳へ這入った。けれど幹子は何を言われても平気でいた。
「でも幹子さんの田舎じゃあれでたいへんハイカラなのかも知れないわ」
「そうね。私はこう思うの、幹子さんのお父様はきっと薬屋さんに違いないわ。だから幹子さんをいまに薬売にするんだわ。ほら、よく薬売があんな大きな蝙蝠傘をさして来るでしょう。「本家、讃岐は高松千金丹……つて歌って来るじゃないの」そう言って時子は、面白く節をつけて歌って見せた。
「そうよ、そうよ」
「きっとそうだわ」
と口口に言うのでした。
この時、幹子は静かに気にもかけないような風で振返りながら、
「私が薬屋になったら、好い薬を売ってあげますから、安心していらっしゃいな」