Japanische Klassiker mit Furigana
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はしがき
童話集 春
竹久 夢二
Lesen Sie 童話集 春 (はしがき) von 竹久 夢二 (たけひさゆめじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.531 Zeichen · 97 Bildschirme
北山薪炭はそばへよっていって、
「こんちは、君ひとつ花子さんの町までいって貰えないかね。花子さんはおいらを毎日待っていらっしゃるんだ」
と言いますと、いままで昼寝をしていた汽缶車は眼をさまして、大儀そうに言うのでした。
「どうせ、遊んでいるんだからいってやってもいいが、なにかい、連中は大勢かい」
「そうさね、炭が三十俵に、薪が百束だ」
「そいつあいけねえ。そんな重いものを引っ張っていったら、脚も手も折れてしまわあ、せっかくだがお断りするよ」
「そんなことを言わないでいっておくれよ。花子さんが待ってるから」
「うるせえな、昼寝をしている方がよっぽど楽だからな」
そう言って、ぐうぐう眠ってしまいました。
そのとき、北山薪炭の前へ、ちいさいちいさい、玩具の汽缶車が出て来ました。
「薪炭さん、さっきからお話をきいていると、お気の毒ですね。ぼくがひとつやって見ましょうか」
そう呼びかけられて、見ると、とても小さい汽缶車です。
「実際困っているんだが、君いってくれますか。だけど見かけたところ、君はずいぶんちいさいね。これだけのものをひっぱってゆけるかね」
「ぼくもわからないが、なあに一生懸命やって見るよ」