Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はしがき
童話集 春
竹久 夢二
Lesen Sie 童話集 春 (はしがき) von 竹久 夢二 (たけひさゆめじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.531 Zeichen · 97 Bildschirme
「須美、浜へ出て見てお出で、何だか変な物が望遠鏡に映ったから」
「はい」
健気な姉娘の須美は父の声の下に立上ると
「姉さん、僕も行くよ」
と弟の摩耶は後についた。
浜へ出て見ると、果して其処の砂浜の帆柱の折れたような木に、水兵の着る赤いジャケツが絡みついているのが見えた。二人はそれを持って急いで帰った。父はそれを見るや否や、
「ああまたやられたか」と言って「俺はこうしては居られない。直ぐに救いのボートを出すから、須美は村の者に直ぐこのことを知らせるよう、それから摩耶は櫓の上で霧笛を吹いているんだぞ、しっかり吹かないと、お父さんまで難船してしまうぞ。好いか」
「大丈夫お父さん」
摩耶は元気よく答えた。
「それじゃ往って来るぞ」
そう言って父はもうボートを卸して、暗い波の上に乗り出した。
「じゃ摩耶さん、あたしも村の方へ行ってきてよ。霧笛は大丈夫?……しっかり頼んでよ」
「日本男児だ!」
「本当にお父さんはじめ、難船した人達のためなのよ。しっかりやって頂戴」
姉は流石に女の気もやさしく、父の身の上、弟のことを気づかい乍ら、村の方へ走って行った。この燈台から村へは、一里に余る山路である。