Japanische Klassiker mit Furigana
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はしがき
童話集 春
竹久 夢二
Lesen Sie 童話集 春 (はしがき) von 竹久 夢二 (たけひさゆめじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.531 Zeichen · 97 Bildschirme
日が暮れてお夕餉が済んでもなお母様は、黄色い洋燈の光のしたに針を動かしておいでだった。
「母様はなぜそんなにチクチクばかりしてるの?」
「坊やには青い水兵服と、嬢には紫のお被布を拵えてあげようと思ってさ」
「母様はチクチクが好きなの?」
「そうとも思わないけれどね」
「だって……母様は飽きないの?」
「ああ、そりゃ時時はねえ」
「じゃお休みなさいよ。ねえ母様」
「お休みって? 坊や。ああ休みましょう。いま少し縫って、そしたら遊びましょう」
「だって、母様は、いま少し、いま少しって、一日かかっちまうんだもの、ねえ、母様てば、母様」
あなたは少し考えて
「もう縫わなくってもいいのよ」
「もういいって? この児は」と母様はお笑いなすった。あなたも笑った。
後にあなたは、
「母様とは私の面倒を見て下さって、私を可愛がって、そして、いま少し、もう少しって――終日――縫物をして居る人です」
と人人に話してきかせたのでした。そうすると、その人達は、母様が子供達の面倒を見て下さるからには、子供達もまた母様の為にしてあげなければなりません。とあなたに話しました。そして、あなたは実にその言葉の通りにやった。