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Japanische Klassiker mit Furigana

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はしがき

童話集 春

竹久 夢二

Lesen Sie 童話集 春 (はしがき) von 竹久 夢二 (たけひさゆめじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.531 Zeichen · 97 Bildschirme

Aozora Bunko

ついにその奥さんの勘定日が来て、奥さん自身やって来た。母様は庭に居て聞きつけなかった。あなたは自分で挨拶に出た。

「母様には、今日は、逢えやしないよ」あなたがしゃちこばっていうと

「それは変ですねえ」と荒木夫人は一足進んで言った。

「駄目だい」あなたは力一杯にドアにつかまって、声を張りあげた。

「駄目だよ。這入っちゃいけないよ」

「おせっかいだっちゃありゃしない」荒木夫人は、威しつけるようにいったけれど、あなたは、めげずに睨めつけて、声を張りあげ、

「もう、僕の母様にゃ逢えやしないよ」

と断乎して繰りかえした。

「何故ですか? 承りたいものですが」と荒木夫人はみるみるふくれあがった。

「いったい如何してなのです? それを聞きましょう」

「何故って、父様がいない時には母様の面倒を坊やが見てあげるんだい。母様が逢いたくないような奴に母様がいじめられないようにしろって父様が言ったんだもの」

文句が長かったので、一息でいってしまうのは大抵の事ではなかった。

荒木夫人は干からびたような嘲笑を洩して

「ああそういうんですか? それでお前さんは、何故お前さんのお母様が私に逢いたくないのか、その訳を知っていなさるかえ?」