Japanische Klassiker mit Furigana
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たけのさとびと
竹乃里人
伊藤 左千夫
Lesen Sie 竹乃里人 (たけのさとびと) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.338 Zeichen · 29 Bildschirme
新聞社へやる原稿も俳句一枚のでも必ず三銭切手をはって封書にして出していられた、開封でやるということはついに見たことがなかった、これは意味があってかなくてかそれは知らないが、先生の平生が、こんな細事にも察せられるかと思うままに記して世人に示すのである。〔『馬酔木』明治三十六年十一月十三日〕
明治三十五年七月初旬の頃である、看護当番として午後二時少し過たと思う時分に予は根岸庵に参った、今日はどんな様子か知らんと思う念が胸に満ているから、まず母堂や律様の挨拶振りでも、その日の先生の様子が良かったか悪かったかということがすぐに知れる。
今日は良くないなということが座敷へ通らぬ内に解った、予は例の通り病室と八畳の座敷の間の唐紙に添うて呉椽に寄った障子の内へ座した、しかもソウッと無言で座したのである、むろん先生いかがですかなどと挨拶する訳ではない、モウこの頃はお極りの挨拶などは無造作に出来なかった、お話の相手にゆくのであるけれど、先生の様子を見てからでなければ、漫りに挨拶することははなはだ危険を感じたのである、予は黙然と座して先生の様子を窺っている、先生は南向に寝ていて顔は東の方戸棚の襖の方へ向けていられる、予は先生の後を見ている