Japanische Klassiker mit Furigana
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だいよじげんのおとこ
第四次元の男
海野 十三
Lesen Sie 第四次元の男 (だいよじげんのおとこ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.156 Zeichen · 18 Bildschirme
その結果も、また実にかなしむべきものであった。誰も、わたくしの存在に気がつかないのである。わたくしの身体が、彼等に見えないのである。こんな悲しむべき、かつ又恐ろしきことが、またとあるであろうか。
それからわたくしは、戸山ッ原の草のうえに、一時間あまりも転がって、ひとりで煩悶をつづけた。そのうちに、月が雲の中に入って、あたりも暗くなったので、わたくしは立ちあがって、自分のアパートへ帰ってきたのである。そして鍵をまわして、自室に入り、寝床の中にもぐりこんだ。そして朝まで睡ってしまった。
その翌朝、元来暢気に生れついたわたくしは、昨夜の恐ろしかりしことどもをついわすれ、起きるとそのまま歯みがき道具と手拭とをさげて、洗面所へいった。
「やあ、今ごろ起きたのか。ばかにゆっくりだね」
と、わたくしは声をかけられた。
わたくしは、その途端に、はっと思った。声をかけてくれたのは、同じアパートの住人にして草分をもって聞える藤田という大道人相見の先生だった。
「……」
「なんだい、その顔は。鼠が鏡餅の下敷きになったような当惑顔をしているじゃないか」
藤田師は、例によって辛辣なことばを、なげつける。