Japanische Klassiker mit Furigana
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だいよじげんのおとこ
第四次元の男
海野 十三
Lesen Sie 第四次元の男 (だいよじげんのおとこ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.156 Zeichen · 18 Bildschirme
なぜ、あの夜に限り、わたくしの姿が、あの人々には見えなかったのであろう。
わたくしは、そのことを、仲のいいわたくしの友達で、白石君というのに話をした。但し、わたくし自身の身の上話をしないで、第三者の話のような角度でもって語ったのだった。
すると、その白石君は、ふふんと鼻で笑い、
「それは、分っているさ、別にその人(実はわたくしのこと)の身体が見えなかったわけじゃないのさ」
「えっ?」
「つまり、あんなところで密会している若い男女にとって、向うから突き当ってくるその人は、不気味な恐ろしい人物と見えたので、そこで触らぬ神に祟なしのたとえのとおりで、見て見ぬふりをしたというわけだ。つまり、その人を怒らせて、物事をあらだてては、二人の大損だからね」
「ふーん、なるほど。そうだったか。はははは」
「なにがおかしいんだ。へんな男だ」
白石君は怪訝な顔をして、わたくしを見つめたが、わたくしはうれしくてたまらなかった。
ところが、そのよろこびは、ものの五日とつづかなかった。或る夜、また新宿からの帰途、例の戸山ッ原にさしかかったとき、全く同じような目にあった。つまり、わたくしの姿が、またもや全然認められないのであった。