Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうばいつきげ

紅梅月毛

山本 周五郎

Lesen Sie 紅梅月毛 (こうばいつきげ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.869 Zeichen · 32 Bildschirme

Aozora Bunko

七

そんなことを口々に云いたてた。半之丞はいつものとおり石のように黙って、漠然とあらぬ方を眺めているだけだった。……競べ馬に出るのは、酒井、榊原、井伊、本多の四家をはじめ、水野、大久保、鳥居、戸田、牧野、板倉、小笠原など合わせて十一家で、乗り手も「ああ、あれか」と世に名の知れた者が揃っていた。……祝賀の催しとはいうものの、まことは外様諸侯や、大阪方に対する示威の意味が主だった。したがってその方法も疾駆しながら槍をつかい、銃射、弓射をし、水を渉り、壕を跳ぶなど、実戦に則したものだったのである。「負けたら詰め腹だぞ」当日となるとみんなはげしい言葉で激励した、「関ヶ原の腕まえをもういちど見せて呉れ、たのむぞ深谷」けれどやっぱり、かれは黙々と口を緘していた。

七

大馬場には桟敷が幾段にも設けられ、譜代、外様の諸大名や、その家臣たちが、幕張りの外まで溢れるように居並んでいた。本多忠勝は正面桟敷で、家康、秀忠に陪侍して競技を見た。……だが定めの時刻になり、鳴りわたる太鼓の音につれて、十一人の騎者が馬場へ出て来るのをみるとまずおどろかされた、深谷半之丞の乗っているのは牡丹ではないのだ。