Japanische Klassiker mit Furigana
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さいきこうい
細木香以
Lesen Sie 細木香以 (さいきこうい) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.332 Zeichen · 45 Bildschirme
竜池が人情本中に名を留むるに至ったのは此に本づいている。
竜池は我名の此の如くに伝播せらるるを忌まなかった。啻にそれのみではない。竜池は自ら津国名所と題する小冊子を著して印刷せしめ、これを知友に頒った。これは自分の遊の取巻供を名所に見立てたもので、北渓の画が挿んであった。
文政五年に竜池の妻が男子を生んだ。これは摂津国屋の嗣子で、小字を子之助と云った。文政五年は午であるので、俗習に循って、それから七つ目の子を以て名となしたのである。二代目津藤として出藍の誉をいかがわしい境に馳せた香以散人はこの子之助である。
三
わたくしが香以の名を聞いたのは、彼人情本によって津藤の名を聞いたのと、余り遅速は無かったらしい。否あるいは同時であったかも知れない。その後にはこの名のわたくしの耳目に触れたことが幾度であったか知れぬが、わたくしは始終深く心に留めずに、忽ち聞き忽ち忘れていた。そしてその間竜池香以の父子を混同していた。
それからある時香以と云う名が、わたくしの記憶に常住することになった。それは今住んでいる団子坂の家に入った時からの事である。
この家は香以に縁故のある家で、それを見出したのは当時存命していたわたくしの父である。