Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.580 Zeichen · 287 Bildschirme
紹介しょう、―――」
と妙子は云って、
「この人やわ、こないだ話した露西亜の人。―――これ、わたしの姉さん。―――これ、次の姉さん。―――」
「ああ、そう、わたしカタリナ・キリレンコ。―――わたし、今日展覧会見に行きました。妙子さんの人形皆売れましたね。オメデトございます」
「あの西洋人誰? こいちゃん」
と、その女が出て行ってしまうと悦子が云った。
「あの人、こいさんのお弟子やねんて」
と、幸子が云って、
「ほんに、あの人やったら電車の中でよう見る顔やわ」
「ちょっと可愛い顔してるやろ」
「あの西洋人、支那料理好きやのん」
「あの人上海で育ったのんで、支那料理のことえらい通やねんわ。支那料理やったら普通の西洋人の行かんような汚い家ほどおいしい云うて、神戸では此処が一番や云うねん」
「露西亜人か、あの人?―――何や露西亜人らしい感じせえへんけど」
と雪子が云った。
「ふん、上海で英吉利の学校へ行ってて、英吉利の病院の看護婦になって、それから一度英吉利人と結婚したことがあるのやて。あれでも子供があるねんで」
「へえ、幾つやろ」
「さあ、幾つやろ。うちより上やろか下やろか」
妙子の話だと、この白系露人キリレンコの一家は夙川の松濤アパートの近所の、上下で四間ぐらいしかない小さな文化住宅に、老母と、兄と、このカタリナと、三人暮しをしていて、カタリナ